本記事で分かること
- 基板の流し方向の決め方がわかる。
- 半田不良が起きにくい部品配置がわかる。
基板の流し方向とは
基板の流し方向とは、フロー実装で噴流している半田上を移動させる基板の進行方向のことです。
DIP方向ともいいます。
フロー、リフローの違いとは?で説明したように、
フロー半田は溶けた半田を下から噴き上げ、その上を基板が通過することで実装します。
基板の流し方向の決め方
フロー半田は次のような問題があります。
①半田付けの間隔が狭いピン間などは、同時に半田を吹き付けると半田ショートしやすい。
②部品本体が壁となってパッド部分に半田が当たらず、未半田になりやすい。
これらの対策として、
①同時に半田を吹き付けないように、ピンの並びを基板の流し方向と平行にする。
②パッドが部品の陰に隠れないように、チップ部品の長手方向を基板の流し方向と垂直にする。
基板の流し方向は、これらの対策を反映した方向になるように決めます。
実装時に流し方向がわかるようにシルクで表示します。
捨て基板があれば、そこに表示すれば基板内でスペースを取りません。
シルク、捨て基板については、「ランド、パッド、レジストとは? 基板の部位名称について」を参照。
実際には、基板サイズやパターン配線の都合で、全部品をこのように配置することは困難です。
多ピンで間隔が狭いICを優先するなど、半田不良が発生しやすい箇所に絞ることになります。
このように基板設計において、部品配置は半田づけの良否に大きく影響する重要ポイントです。
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