★★★ 2021.8.7 「26歳回路設計初心者」さん 感謝のメッセージありがとうございます!★★★

【回路設計】LEDに流す電流と抵抗値の決め方

回路設計



この記事でわかること

・LEDの選び方
・LEDに流す電流値と抵抗値の決め方
・LEDを制御する回路の設計方法

LEDは照明用表示用がありますが、
本記事では、電源ONや動作中など、
装置の動作状態を示す表示ランプとして利用する場合について解説
します。

表示用LEDに流す電流は数mAと小さいため、
デジタルICで直接制御する回路を例にします。

LEDの選び方

LED選択の選択肢として、抵抗等の外付け部品が必要なタイプかどうかがあります。

外付け部品をつける理由は、LEDに過電流で壊れるのを防止するためです。
電流を制限するための部品として抵抗や、
定電流ダイオード(CRD)があり、これを最初からLEDに内蔵したタイプがあります。

<抵抗内蔵タイプ>
長所
・抵抗を選定、接続する手間を省くことができ、電圧を加えるだけで使える。
・抵抗を搭載するスペースが不要なので、回路を小型化できる。

短所
・5V用、12V用など、使用できる電圧が制限される。
・複数個並べて点灯させた時に明るさに違いがある場合がある。
・種類が少ない

<定電流素子内蔵タイプ>
抵抗内蔵タイプだと明るさにバラつきがあるため、
定電流ダイオード(CRD)により流れる電流を一定にして明るさを均一にしたもの

長所
使用電圧が固定されないので自由度がある。
複数個並べても明るさに違いが無い

短所
・価格が他のタイプと比べ高い
・種類が少ない

<抵抗無しタイプ>
殆どのLEDがこのタイプ。抵抗又は定電流ダイオード(CRD)を使って
LEDに流れる電流を制限して使います。

長所
使用電圧を自由に選べる
種類が豊富

短所
・抵抗かCRDをつける必要がある
・損失や光度を考慮して電流値を決めなくてはならない。

ここで、電流制限を抵抗かCRDにするかですが、
CRDは製品毎に流れる電流値が決まっているので、
抵抗値を計算する必要がなく、明るさも均一にできます。

しかし抵抗に比べ価格が高く、
一般回路では、抵抗を用いるのが殆どです。

抵抗値を決める前に、
LEDに流す電流をどれくらいにしたら良いかについて解説します。



LEDに流す電流値の決め方

一般的な表示用チップLEDを例にします。

SML-H12U8T(ローム製赤色チップLED 2012サイズ)

このLEDは最大順方向電流IF=20mAですが、
ディレーティング曲線を見ると20mAまで流せるのは周囲温度Ta=40℃迄です。

一般的な電気製品の仕様は周囲温度60℃が多いので、
その場合はLEDに流せる電流は14mAまで
になります。

表示用LEDの場合、1mA~10mAが一般的です。
高輝度タイプならば、数mAで十分明るいです。

参考までに 
SML-H12U8T(赤)とSML-H12P8T(緑)に
2mA流した時の明るさになります。

上記の仕様を見ると、
IF=20mA時の明るさ(光度)が
赤:40mcd
緑:4mcd

になります。

同じ種類のLEDでも色によって、だいぶ明るさが違います。

光度-順方向電流IF特性グラフより
IF=2mAで相対光度が0.13なので、
赤:40×0.13=5.2 mcd
緑: 4×0.13=0.52 mcd

写真だと分かりにくいかもしれませんが、
赤の5.2mcdは、かなり明るいです。

緑の0.52mcdも、表示用として問題ないと思いますが、
基板の色と同じということもあり、もう少し明い方が分かりやすいかなという感じです。

この結果より、表示用には数mcdあれば十分な明るさだと言えます。

LED回路構成の決め方

下記のデジタルICを使ってLEDを点灯させます。
・電源:5V
・デジタルIC TC74HC04AF(東芝製ロジックIC  インバータ)

回路構成は2通りあります。
<出力Hで点灯>
 デジタルICから電流を供給(ソース電流)する方法です。
長所
・LEDまでの配線が地絡(GNDにショート)しても誤動作(LED点灯)しない
CEマーキングが必要な欧州向け製品では安全性が高いこの方法を使用

短所
・LEDに供給する電圧=ICの出力電圧になるので、電圧を自由に決められない。
 LEDと、デジタルICの電源を別にできないため、
 LEDを離れて配置する場合、LED側で電源を持たせることができない。

<出力Lで点灯>
 デジタルICに電流を流し込む(シンク電流)する方法です。
長所
・デジタルICの出力電圧以下なら、LEDに供給する電圧を自由に決められる。
LEDの電源と、デジタルICの電源を分離できるため、
 回路構成しやすい事から、米国や日本で、よく使用される方法です。

短所
・地絡(GNDにショート)した場合、誤動作(LEDが点灯)する



LED制御回路の設計方法

<出力Hで点灯の場合>
TC74HC14のデータシートより、
Vcc=4.5V、IOH=ー4mAの条件で、
VOH=4.13V(min)なので、4.5ー4.13=0.37V低下します。

Vcc=5Vの場合のVOHは、5ー0.37=4.63V となります。

LEDに流す電流を2mAとした場合、
VOHは、もう少し高い電圧になるかもしれませんが、
損失や光度に影響を与える程では無いので、これで良しとします。

出力電圧4.63Vで
LEDの順方向電圧VFは、IFーVF特性グラフより、
IF=2mAでVF=1.85V
となります。

抵抗Rにかかる電圧VR
VR=4.63ー1.85=2.78V
LEDに2mA流すための抵抗Rは
R=2.78V/2mA=1.39kΩ≒1.3kΩ
R=1.3kΩの場合の順方向電流IF
IF=2.78V/1.3kΩ=2.14mA
となります。

LEDの損失は
PLED=VF×IF=1.85V×2.14mA=3.96mW
LEDの許容損失は54mWなので問題ありません。

抵抗の損失は
PR=R×I2=1.3kΩ×(2.14)2=5.95mW
使用する抵抗の定格電力については、
定格30mWの抵抗だとディレーティング率は
5.95/30=0.2 (20%)
なので、一般的に50%以内であればOKです。

<出力Lで点灯>
LEDに流す電流を2mAとした場合、
LEDの順方向電圧VFは、IFーVF特性グラフより、
IF=2mAでVF=1.85V
となります。

次にLレベル電圧VOLは、
TC74HC14のデータシートより、
Vcc=4.5V、IOL=4mAの条件で、
VOL=0.33V(max)になります。
ここではVcc=5VでもVOL同じと考えます。

LEDに供給する電源電圧Vcc=5Vとすると、
抵抗Rにかかる電圧VR
=5ー1.85ー0.33=2.82V

LEDに2mA流すための抵抗Rは
R=2.82V/2mA=1.41kΩ≒1.3kΩ

R=1.3kΩの場合の順方向電流IF
IF=2.82V/1.3kΩ=2.17mA
となります。

LEDの損失は
PLED=VF×IF=1.85V×2.17mA=4.01mW
LEDの許容損失は54mWなので問題ありません。

抵抗の損失は
PR=R×I2=1.3kΩ×(2.17)2=6.12mW
使用する抵抗の定格電力については、
定格30mWの抵抗だとディレーティング率は
6.12/30=0.2 (20%)
なので、一般的に50%以内であればOKです。

<以下の記事で、基板の部品交換や修正で役立つ工具類を紹介しています>