デジタルトランジスタ(デジトラ)の使い方と抵抗値選定方法

回路設計



この記事でわかること

・デジトラの抵抗値の選び方
・デジトラの損失計算方法
・デジトラを使った回路設計

ベース抵抗とベース・エミッタ間抵抗を内蔵したトランジスタは
デジタルトランジスタ(デジトラ)と呼ばれます。

2つの抵抗を内蔵したことにより、
入力電流で制御するトランジスタを、その名の通り、
入力電圧がHレベル又はLレベルのデジタル信号で制御できます。

デジトラのデータシートを見ると、
様々な内蔵抵抗の組み合わせがあるので、
どれを選べば良いか迷う所です。

本記事では、デジトラの抵抗値の選び方と、
回路設計方法について解説します。

デジトラの動作原理

トランジスタは流すことができるコレクタ電流をベース電流で制御できます。
しかし、入力が電流値だと、デジタル回路では使いにくいです。

そこで、ベース抵抗R1とベース・エミッタ間抵抗R2をつけることで、
入力電圧の大きさによってコレクタ電流を制御できるようになります。

その動作原理について、まずは、R1だけつけた場合を考えます。

入力電圧Viを印加した時、入力電流Iiは以下の式となります。
 Ii=(ViーVBE)/R1

ここで、VBEはベース・エミッタ間電圧です。
ベース・エミッタ間は、トランジスタの構造上、ダイオードと同じなので、
VBEはダイオードの順方向電圧VFと考えることができます。

一般的にVF(つまりVBE)は0.6V程度で一定なので、IiはViに比例します。

R2が無ければ、入力電流Iiは、そのままベース電流IBになるので、
入力電圧Viによって、IBを調整することで、コレクタ電流ICが制御できます。

同じViなら、R1が大きい程、IBは小さくなるので、ICも小さくなります。

ICがゼロになると、デジトラが電流を流せないOFF状態になります。
ONさせるには、Viを上げて、IBを大きくする必要があります。

以上から、R1の大きさによって、
デジトラの入力オン電圧Vi(ON)を調整できる
ことがわかります。
 R1 大 → Vi(ON)

次にR2を追加した場合を考えます。

R2間電圧、つまりVBEは先程0.6Vで一定と説明したので、
R2に流れる電流IBEは以下の式となります。
 IBE=VBE/R2=0.6V/R2

これは、IBEがR2によって決まる一定値であることを意味します。
このIBEは入力電流Iiから分流し、残りがベース電流IBになります。(※1)
 Ii=IB+IBE

従って、ベース電流IBを流すためには、
IiをIBEより大きくする必要があります。

つまり、Ii<IBEならデジトラはONしません。

このようにR2を設けることで、Viが低い時にONしないようにできます。

R2が大きいとIBEは減少し、IBがその分増え、Vi(ON)を低くできます。
 R2 大 → Vi(ON)

※1:ダイオードは順方向電圧VF以下では電流を流せない為、
 VBEが0.6V以下だとベース電流IBは流れません。

 IBEが増加し、R2×IBE=VBE>0.6Vになると、
 IBにも電流が流れるようになります。

内蔵抵抗による動作速度と出力電圧の調整

R1、R2の値は、Vi(ON)だけでなく、
動作速度や、ON時の出力電圧にも影響を与えます。

<動作速度を早くする>
デジトラのスイッチング時間は以下の内訳となっています。
 ターンオン時間 = 遅延時間(td) + 立上り時間(tr)
 ターンオフ時間 = 蓄積時間(tstg) + 立下り時間(tf)

trやtfが数十ns程度なのに対し、tstgは数usと桁違いに長いため、
動作速度は蓄積時間tstg で決まります。

tstgはベースに蓄積された電荷量が大きい程長くなるため、
動作速度を早くするには以下の方法があります。

①ON時に電荷の蓄積を小さくする(R1を大にする)
 R1を大きくすることで、ON時にベースに流れ込む電流が減るので、
 電荷の蓄積量を小さくできます。

②OFF時に電荷の放電を早くする(R2を小にする)
 R2を小さくすることで、OFF時にベースから流れ出る電流が増えるので、
 電荷の放電を早くできます。

tstg を短くする効果は①より②の方が大きいです。

<ON時の出力電圧を低くする>
トランジスタはONしても、CーE間は0Vにならず、
コレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)が存在します。

VCE(sat)が高いと、Lレベル出力電圧が高くなるだけでなく、
コレクタ電流を流した時の損失(コレクタ損失PC=VCE(sat)×IC)が大きくなります。

このVCE(sat)はベース電流IBを増やすことで低下するため、
同じ入力電圧Viならば、R1 小、R2大にすれば、VCE(sat)を低くできます。

ただし、これは動作速度を遅くする方向に働くため、
使用する回路に応じてバランスを取る必要があります。



デジトラの抵抗値選定方法

内蔵抵抗R1、R2の主な組み合わせについて、
電気的特性を表したグラフを以下に示します。

これまで説明した様に、
R1大、R2小:Vi(ON)が高くなり、tstgが短くなる
R1小、R2大:Vi(ON)が低くなり、VCE(sat)が低くなる

このことから、抵抗値の選択は入力電圧Viに応じて以下の様に行います。
 Viが高い場合:グラフ右上
 Viが低い場合:グラフ左下

また、コレクタ電流ICを増やしたい場合は、
ベース電流IBを多く流す必要があるので、R1が小さいものを選びます。

R1の目安ですが、まずはR2が無く、Ii=IBとなる状態において、
IC/IBが20以下になるようにします。(※2)

R1=(ViーVBE)/Ii
 =(ViーVBE)/IB
 =(Viー0.6)×20/IC
 (※3)

※2:IC/IB<20以下にする理由は、デジトラをスイッチングに使用するためで、
 オン時にLレベル出力ができるように、VCE(sat)が低い飽和領域で動作させるには、
 直流電流増幅率hFE(=IC/IB)を20倍程度に抑える必要があります。

※3:VBEの値ですが、一般的なトランジスタのデータシートには
 ベース・エミッタ間飽和電圧VBE(sat)として記載されていますが、デジトラには載っていません。

 しかし、ロームHPにあるデジトラの解説記事には、
 VBE=0.55V~0.75Vという記述があることから、
 ここではVBEの一般的な値である0.6Vとしています。

例えば、Vi=5V時にIC=10mAを流したい場合、
R1=(5Vー0.6V)×20/10mA
 =8.8kΩ

従って、R1は8.8kΩ以下となり、
デジトラ内蔵抵抗のラインナップから、4.7kΩを選択します。

次にR2ですが、Viを1V以下でOFFさせる場合、
この時、ベース電流IBをゼロにするには、
入力電流Iiが全てR2に流れる必要があるので、Ii=IBEとなります。
Ii=(ViーVBE)/R1
=(1Vー0.6V)/4.7kΩ
≒0.09mA

Ii=IBE=0.09mAにするには
R2=VBE/IBE
=0.6V/0.09mA
≒6.7kΩ

抵抗値のラインナップから、R2に10kΩを選択した場合、
デジトラがOFFする電圧Vi(OFF)を求めます。

まず、R2を10kΩにした時のIBEを計算します。
IBE=VBE/R2=0.6V/10kΩ=0.06mA

Ii=IBEとなるViは、
Ii=(Viー0.6V)/4.7kΩ=0.06mAより、
Vi≒0.88V

以上より、Vi(OFF)は0.88V以下となります。

デジトラの損失計算方法

先ほど選択したR1=4.7kΩ、R2=10kΩの内蔵抵抗を持つ東芝製RN1116を使用し、
Vi=5V、IC=10mA における損失を計算します。

デジトラの損失は、以下の4つの損失の合計になります。
・内蔵抵抗R1、R2の損失
・トランジスタ本体の損失(コレクタ損失と、ベースでの損失)

R1の損失PR1は以下の式となります。
PR1=R1×Ii2

入力電流Ii
Ii=(ViーVBE)/R1
 =(5Vー0.6V)/4.7kΩ
 ≒0.94mA

なので、
PR1=4.7kΩ×(0.94mA)2
=4.15mW

R2の損失PR2は、R1と同様に求めます。
PR2=R2×IBE2

R2に流れる電流IBEは、
IBE=VBE/R2
=0.6V/10kΩ
=0.06mA

なので、
PR2=10kΩ×(0.06mA)2
=0.036mW

※内蔵抵抗の許容差は±30%なので、
厳密には、最大損失となる定格のー30%での抵抗値で計算する必要がありますが、
本例の場合、数mWレベルであり、

RN1116の許容損失100mWに比べ十分小さい値なので定格値で計算しています。

コレクタ損失PCは以下の式で求まります。
PC=VCE(sat)×IC

コレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)は、データーシートのグラフより、
コレクタ電流IC=10mAの場合、VCE(sat)=0.08V となるので、
PC=0.08V×10mA
=0.8mW

ここで、注意するのは「IC/IB=20」という条件が記載されている事です。

これは、直流電流増幅率hFEが20倍までという制限があることを意味しています。
データシートにあるhFEは50と記載されていますが、VCE=5Vという条件があり、
これではONしてもLレベル電圧にならず、スイッチング動作には使えません。
(この欄にあるhFEは増幅回路として使用する場合に使います)

今回の例では、Ii=0.94mA、IBE=0.06mAより、
IB=IiーIBE=0.88mAになるので、IC=10mA流す場合、
IC/IB=10/0.88=11.36
となり、20倍以下となる条件を満たしています。

ベースでの損失PBは、トランジスタ内にあるダイオード部分の損失になるので、
「ダイオードの順方向電圧×ベースに流れる電流」で求めることができます。
PB=VBE×IB
=0.6V×0.88mA
=0.528mW

以上から、デジトラの損失Pは
P=PR1+PR2+PC+PB
=4.15+0.036+0.8+0.528
=5.514mW

上記より、デジトラの損失は、R1の損失が最も大きい事がわかります。



デジトラを使った回路設計

LED駆動回路

LED(VF=1.9V、IF=5mA)をマイコンで点灯させる回路です。
マイコンからの出力電流は数mA程度と小さいため、デジトラを経由させます。

マイコンがHレベル出力した時、LEDに5mA流れるように抵抗Rを求めます。

VCE(sat)はデータシートより、IC=5mA、IB=0.25mAの時、0.3Vなので、
抵抗Rは、
R=(VCCーVFーVCE(sat))/IC
=(5Vー1.9Vー0.3V)/5mA
=560Ω

VCE(sat)を0.3Vに抑えるためにIBを0.25mA以上にする必要があります。

まずはR2が無い状態で考えるとIi=IBなので、
Iiが0.25mA以上になるR1を決めます。

ViはマイコンのHレベル出力電圧VOHの最低値2.4Vとすると、
R1=(ViーVBE)/Ii
=(2.4Vー0.6V)/0.25mA
=7.2kΩ

R1はこれより小さい値にする必要があるため、
内蔵抵抗のラインナップから4.7kΩを選択します。

R1=4.7kΩにした時のIi
Ii=(ViーVBE)/R1
=(2.4Vー0.6V)/4.7kΩ
≒0.38mA

次にR2を決めます。

R2をつけると、Ii=IB+IBEになりますが、
IBが0.25mA以上になるには、
IBE=IiーIB
=0.38ー0.25
=0.13mA

より、IBEを0.13mA以下にする必要があり、
そのためには、
R2=VBE/IBE
=0.6V/0.13mA
≒4.6kΩ

より、R2を4.6kΩより大きな値にするため、
内蔵抵抗のラインナップから4.7kΩを選択します。

R2=4.7kΩにした時のIBE
IBE=0.6V/4.7kΩ
≒0.13mA

従って、IB
IB=IiーIBE
=0.38ー0.13
=0.25mA

なので、IC/IB=5mA/0.25mA=20となり、
VCE(sat)=0.3Vになるための条件を満足しています。

このデジトラがOFFとなる入力電圧Viは、
IBがゼロとなるIi<IBEの時なので、
Vi=R1×Ii+VBE
=R1×IBE+0.6V
=4.7kΩ×0.13mA+0.6V
≒1.2V

となり、Viが1.2V以下ならLEDは消灯します。



インバータ回路

スイッチによって切替される5V系論理信号を3.3V系ICに入力する回路です。
この時、デジトラ(RN1102)では入力されたH/L信号を反転して出力します。

スイッチOFF時にR1に流れる電流Iiは、
Ii=(5Vー0.6V)/(470+10kΩ)
=4.4V/10.47kΩ
=0.42mA

R2に流れる電流IBEは、
IBE=0.6V/10kΩ=0.06mA

従って、ベース電流IBは、
IB=IiーIBE=0.42ー0.06=0.36mA

VCE(sat)=0.3Vの条件がデータシートより、IC/IB=20なので、
IC=20×IB
=20×0.36mA
=7.2mA

まで流せます。

デジトラがONした時に流れるコレクタ電流Icは、
IC=(3.3VーVCE(sat))/10kΩ
=(3.3Vー0.3V)/10kΩ
=0.3mA

なのでOKです。

これによって、デジトラからは0.3V以下のL信号が出力されます。

スイッチがONでVi=0Vになり、デジトラはOFFして、
H信号(ほぼ3.3V)が出力されます。

このデジトラがOFFを維持できる入力電圧Viは、
IBがゼロとなるIi<IBEの時なので、
Vi=R1×Ii+VBE
=R1×IBE+0.6V
=10kΩ×0.06mA+0.6V
=1.2V

となり、Viが1.2VまではOFFとなります。

デジトラの内部抵抗はサージに弱いため、
外部信号をデジトラに入力する際は、ツェナーダイオードZDによる保護を行います。

プルアップ抵抗が470Ωと小さい理由は、
スイッチの接点に流れる電流が小さ過ぎると、
開閉を繰り返すうちに酸化皮膜が生成されて接触不良が発生するからです。

プルアップ抵抗を小さくすることで、ある程度の電流を流し、
アーク放電を発生させて、酸化被膜を破壊させます。

リレードライブ回路

NPN+PNPがワンチップのデジトラを使い、
マイコンからの出力信号がLの時にリレーを動作させます。

ここでは東芝製RN4605を使います。
NPN、PNP共にR1=2.2kΩ、R2=47kΩで、
IC/IB=20の時、VCE(sat)=0.3V です。

まず、PNPデジトラですが、PNPをオンさせる時、
マイコンのLレベル出力電圧VOLが0.4Vとすると、
R1に流れる入力電流Ii1は、
Ii1=(3.3VーVBE1ーVOL)/R1
=(3.3Vー0.6Vー0.4V)/2.2kΩ
=1.04mA

R2に流れる電流IBE1は、
IBE1=0.6V/47kΩ≒0.01mA

ベース電流IB1は、
IB1=Ii1ーIBE1
=1.04ー0.01
=1.03mA

なので、IC/IB=20より、
IC1=20×IB1=20×1.03mA≒20mA
となり、IC1が20mA以下であれば、
データシートより、VCE1=ー0.3Vになります。(※4)

PNPがオフになるのは、ベース電流IB1がゼロとなるIi1<IBE1の時なので、
オフ入力電圧Vi(OFF)は、
Vi(OFF)=ーIi1×R1ーVBE1
=ーIBE1×R1ーVBE1
=ー0.01mA×2.2kΩー0.6V
=ー0.82V
(※4)
※4:マイナスが付くのは、ベース電圧やコレクタ電圧が、
 基準となるエミッタ電圧より低い時に動作するため
です。

エミッタ電圧は3.3Vなので、
PNPがオフを維持できる入力電圧は
3.3Vー0.82V=2.48V
より、マイコンからの出力電圧が2.48V以上ならオフとなります。

次にNPNデジトラです。
PNPがオンの時、NPNのR1に流れる入力電流Ii2は、
Ii2=(3.3VーVCE1ーVBE2)/R1
=(3.3Vー0.3Vー0.6V)/2.2kΩ
=1.09mA

このIi2がPNPデジトラのIC1であり、
IC1が20mA以下になるので、VCE1=0.3V以下を維持できます。

R2に流れる電流IBE2は、
IBE2=0.6V/47kΩ=0.01mA

ベース電流IB2は、
IB2=Ii2ーIBE2=1.09ー0.01=1.08mA

PNPと同様に、IC/IB=20より、
IC2=20×IB2=20×1.08mA≒21.6mA

リレーコイルの定格電流が、これより小さければ、
VCE2=0.3V以下を維持できます。

NPNがオフするのは、Ii2<IBE2=0.01mAの時であり、
PNPがオフすればIC1(つまりIi2)がゼロになるので、NPNもオフします。

リレーコイルと並列にダイオードを接続する理由は、
OFF時に発生する逆起電圧でデジトラが故障するのを防止するためです。
詳細は下記記事で解説しています。

ロードスイッチ回路

 負荷への電源供給をオン・オフする回路です。
NPNとPNPのデジトラ2個を使い、CTL信号がHの時に電源供給をオンします。

ここでは、以下の東芝製デジトラを使用します。
PNP:RN2421 R1/R2=1kΩ/1kΩ
 Ic= 800mA     Pc=200mW
NPN:RN1105    R1/R2=2.2kΩ/47kΩ
 Ic= 100mA  Pc=100mW
 

下段のNPNについて、
CTL信号にVi=3.8V(5V系CMOS H出力レベル)を入力した場合、
R1に流れる入力電流Ii1は、
Ii1=(VOLーVBE1)/R1
=(3.8Vー0.6V)/2.2kΩ
≒1.45mA

R2に流れる電流IBE1は、
IBE1=0.6V/47kΩ
≒0.01mA

従って、ベース電流IB1は、
IB1=Ii1ーIBE1
=1.45mAー0.01mA
=1.44mA

データシートより、VCE(sat)=0.3Vとなる条件がIC/IB=20なので、
IC1=20×1.44mA=28.8mA
まで流せます。

NPNがオフになるのは、ベース電流IB1がゼロとなるIi1<IBE1の時なので、
オフ入力電圧Vi(OFF)は、
Vi(OFF)=R1×Ii+VBE
=2.2kΩ×0.01mA+0.6V
=0.62V

よって、CTL信号が0.62V以下ならオフになります。

NPNがオンした時、上段のPNPの入力電流Ii2は、
Ii2=(ViーVBE2ーVCE(sat)1)/R1
=(5Vー0.6Vー0.3V)/1kΩ
=4.1mA

R2に流れる電流IBE2は、
IBE2=0.6V/1kΩ=0.6mA

従って、PNPに流れるベース電流IB2は、
IB2=Ii2-IBE2=4.1mAー0.6mA=3.5mA

RN2421のデータシートより、
IC=50mA、IB=2mA の時、  VCE(sat)=0.25Vです。

つまり、IC/IB=50mA/2mA=25以下なら
飽和領域でスイッチング動作できるので、
IC2=25×IB2=25×3.5mA=87.5mA
まで負荷に電流を供給できます。

ちなみに、上段デジトラにPNPを使用する理由は、
NPNを使うより、入出力間の電圧降下を低くできるためです。

NPNの場合、VOUTとなるエミッタ電圧は
ベース電圧よりVBE=0.6V低くなります。

デジトラをONさせるため、
ベース電圧をコレクタ電圧(つまりVin)と同電圧まで上げても、
VoutはVinよりも0.6V低下してしまいます。

一方のPNPは、VoutがコレクタになるのでVBEの影響を受けず、
電圧降下はコレクタ・エミッタ間飽和電圧VCE(sat)で決まります。

IC/IB=20を満たす限り、VCE(sat)は0.3Vになるので、
NPNより電圧降下を低くできます。