フォトカプラに並列抵抗をつける意味と抵抗値の決め方

回路設計



本記事でわかること

・フォトカプラの入力に並列抵抗をつける意味
・並列抵抗値の決め方

前回記事でフォトカプラの基本的な使い方を解説しました。

今回はアナログ回路等で使う場合に必要となるフォトカプラの入力につける並列抵抗について、
その意味と抵抗値の決め方について解説します。

フォトカプラに並列抵抗をつける意味

この抵抗をシャント抵抗ブリーダ抵抗と呼ぶこともあります。

つける理由はフォトカプラに微小電流が流れた時に動作しないようにする為です。

例えば、近接センサーの出力をフォトカプラに入力する場合、
センサーOFF時も1mA程度の漏れ電流が流れてしまいます。

このような微小電流でもフォトカプラは動作してしまう為、対策が必要となります。

図のように、フォトカプラの入力側に並列抵抗RSを接続することにより、
電流をRS側に流すことで、フォトカプラの動作を防ぐことができます。

その仕組みについて詳しく説明します。

フォトカプラの入力側にある発光ダイオードは
ある程度の電圧が印加されないと発光しません。

この電圧は非発光順電圧VTと呼び、
東芝製フォトカプラの場合、赤外発光ダイオードのVTは約0.5Vです。

つまりフォトカプラの入力電圧を0.5V以下にすれば、フォトカプラはONしません。

このダイオードと並列に抵抗RSをつけた場合、入力電流はRSにも流れます。
この時、RSに流れる電流をISとするとRS間の電圧VS
   VS=IS×RS

このVSは発光ダイオード間の電圧でもあり、
VS<0.5Vならば、発光ダイオードは光りません。

発光ダイオードが光らないということは、
ダイオードの方には殆ど電流が流れないことを意味します。
つまり、入力電流は、ほぼ全てRSに流れます。

従って、微小電流が流れてもフォトカプラには流れないので、誤動作を防ぐことができます。



フォトカプラの並列抵抗値の決め方

並列抵抗RSの決め方ですが、
先程の近接センサーの出力をフォトカプラに入力する場合を例に説明します。

ここでは、東芝製フォトカプラTLP785を使用します。

センサーOFF時の漏れ電流が1mAの場合、
入力電流が1mA流れてもフォトカプラの入力電圧が0.5V以下になるようにします。

並列抵抗RSは以下の値となります。
RS=0.5V/1mA=500Ω≒470Ω (E24系列より)

RS=470Ωをつけることで、
入力電流が1mA流れてもフォトカプラの入力電圧は0.47Vとなり、
発光ダイオードは光らないので、フォトカプラはONしません。

センサーがONして入力電流が増加し2mAになると、
フォトカプラの入力電圧は
VS=RS×Iin=470×2mA=0.94Vとなり、
VT=0.5Vを超えるため、発光ダイオードが点灯し、フォトカプラが動作します。

但し、この時、フォトカプラに流れる電流はVF-IF特性よりVF=0.94Vの時、IF=0.1mAなので、
入力電流2mAのうち、殆どがRS側に流れます。

このため、フォトカプラの出力電流ICはIC-IF特性よりIF=0.1mAだとIC=0.02mAとなり、
フォトカプラの出力側は電流を殆ど流せないので出力がLになりません。

フォトカプラを完全にONさせるにはIF=10mA程度流す必要があります。

この時、RS間の電圧は
VS=RS×Iin=470×10mA=4.7V
とはなりません。

何故ならRS間の電圧が1Vを超えたあたりから、
フォトカプラのダイオードに流れる電流が急増します。

(先程のIFーVF特性を参照)

RSに流れる電流がその分減少するのでRS間電圧は増えなくなります。

TLP785の電気特性を見ると、
発光ダイオードの順電圧VFは平均で1.15Vなので、VSも1.15Vに抑えられます。

RSに流れる電流は
IS=VS/RS=1.15V/470Ω=2.4mA
となり、残りの10-2.4=7.6mAは全てフォトカプラに流れます。

フォトカプラの出力電流ICはIC-IF特性よりIF=7.6mAだとIC=9mA流すことができます。

負荷側電圧5V、負荷抵抗750Ωの場合だと、
IC=6.7mA流せれば負荷抵抗での電圧降下を5Vにできるので、
出力outを確実にLレベル(0V)にすることができます。

<トランジスタの設計方法について解説しています>