【圧着の手順やピンの抜き方も解説】コネクタの種類と使い方 | アナデジ太郎の回路設計

【圧着の手順やピンの抜き方も解説】コネクタの種類と使い方

圧着器の使い方 部品選定

この記事でわかること

・コネクタの基礎知識(用語説明とピンのメッキ処理の選定法)
・定番汎用コネクタ(VHコネクタ、QIコネクタ等)の紹介
・D-subコネクタ、フラットケーブルコネクタの解説
・コネクタピンの圧着(カシメ)方法やコンタクトの抜き方

本記事では、コネクタを選定する際の基礎知識として、
ハウジングやレセプタクルなどの専門用語の説明と、
通電部分であるコンタクト(ピン)のメッキ処理の種類と選び方を解説します。

また、電子機器向けの汎用コネクタで利用される定番品や、
D-subコネクタ等の他メーカ間でも接続できる業界標準規格のコネクタを紹介し、
実用知識として、圧着の仕方やピンの抜き方についても説明します。

USBコネクタについては下記記事で解説しています。

紹介するメーカーについて以下の略称で表記します。
 JST:日本圧着端子製造
 JAE:日本航空電子工業
 TE:TE Connectivity(旧名:タイコエレクトロニクス、その前はAMP)
 ヒロセ:ヒロセ電機

コネクタの基礎知識(用語説明と選定方法)

コネクタを選定、使用するにあたり、必要な用語について説明します。

コネクタの構造

一般的なコネクタは、電流を流す金属製のコンタクトと、コンタクトを絶縁し、
コネクタの外殻を形成するハウジングからなるシンプルな構成ですが、
後述するD-subコネクタやフラットケーブル用コネクタなどは、
嵌合固定台や、ストレインリリーフ等を組合せた複雑な製品もあります。

コネクタの基本構造(D-3000シリーズの場合)

ハウジング
インシュレータシェルとも呼ばれます。(※)
コンタクトから絶縁するため、絶縁材として形成性の良いPA(ポリアミド(ナイロン))や、
耐熱性の高いPBT(ポリブチレンテレフタレート)などが用いられますが、
面実装タイプのコネクタはリフロー実装時の高温に耐え、かつ寸法安定性の高い
PPS (ポリフェニレンサルファイド)や、LCP(液晶ポリマー)が使われます。
 ※厳密には、インシュレーターはコンタクトの固定と絶縁を行う内部部品で、
  シェルはインシュレータの外側に設ける外殻部品を指し、
  ノイズをグランドに逃がすためにアース接続が可能な金属製のシェルもある。

基板に実装するコネクタのハウジングには2種類あり、
嵌合方向が基板に対して垂直(直角)のライトアングル タイプ(※)と、
水平方向のストレート タイプがあります。
 ※別名、L型やサイド型とも呼ばれる。

コネクタのストレートとライトアングル

ストレート タイプが基板から垂直方向にケーブルを通すのに対し、
ライトアングル タイプはケーブルを基板から直角に引き出せるため、
基板上部スペースの制約がある薄型機器への使用に適しています。

コンタクト
ターミナル、ピン、端子とも呼ばれ、オス・メス用それぞれ存在します。

オスは別名として、プラグ、ヘッダータブ
メスはレセプタクル(Receptacle(※))やソケットとも呼ばれます。
 ※「入れ物」の意味で、リセ、リセプタクルとも呼ばれる場合もある。

オスとメスの使い分けですが、基板対電線用コネクタは基本的に基板側がオス、
ケーブル側はメスになっているので、選択の余地がありませんが、
設計者がオス・メスを選定できる電線対電線(中継)用コネクタについては、
感電を防ぐため、通電部分に手が接触し難いメスを電源供給側にするのが一般的です。

材質は導電性や加工性が良い黄銅やリン青銅などの銅合金材料が使われます。
黄銅は導電率が大きくて低価格ですが、ばね性が劣る為、ばねの無いオスに使用され、
ばねが設けられるメスには、ばね性の良いリン青銅が用いられることが多いです。

金メッキと錫メッキの使い分け方

銅は酸化しやすいため、コンタクトにはメッキ処理がされています。
メッキ材については、一般用途のコネクタでは錫(すず)ですが、
挿抜回数が多かったり、悪環境向けには金が使われます。

コネクタピンの錫メッキ品と金メッキ品

但し、錫や金を銅に直接メッキすると、
時間の経過と共に、メッキ材が銅内部に侵食・拡散されてしまい、
メッキの効果が低下してしまうことから、
それを防止できるニッケルを下地として銅との間に挟んでいます。

また、このニッケルを下地にすることで、
錫メッキにおけるウィスカ(※)の発生も抑制できます。
 ※錫の表面に生成されるヒゲ状の結晶のことで、これが原因で端子間でショートを引き起こす場合がある。

ウィスカの観測例

金メッキは高価なので、汎用向けコネクタは錫メッキが多いですが、
錫メッキと金メッキ両方のコンタクトを取り揃えている製品もあります。

金メッキと錫メッキどちらにするかの目安ですが、
低電圧や低電流(3V、1A以下)では接触信頼性が要求されるため、
コンタクトの接触圧が低くても優れた接触性を持つ金が望ましいです。

このため、低電圧・微小電流のアナログ信号に用いる場合は金メッキ、
それ以外の一般的なデジタル信号では錫メッキという選択方法もあります。

金メッキの厚みは0.1~0.3μm程度が一般的ですが、厚い方が耐環境性が強くなるため、
産業用など高信頼性用に0.76μm以上の製品も存在します。

また、抜き差しの容易さを求める場合でも、金メッキを選びます。
これは、錫メッキだと接触性を確保するため、コンタクトの接点圧が高くなっており、
極数が多いコネクタだと挿抜がきつくなります。

注意点として、異なるメッキ同士のコネクタ接続は避けるようにします。
その理由は、イオン化傾向の異なる金属を接触させると、結露などで濡れた場合、
電解液が生じて電食と呼ばれる腐食が発生しやすくなるためです。

特に金と錫の組合わせはイオン化傾向が大きく、
通常より腐食しやすくなることからコネクタのオスとメスは同じメッキにします。

コンタクトを電線に接続する方法

コネクタの種類によって、様々な接続方法があります。

コンタクトを電線に接続する主要な3タイプ

圧着
被覆を剥いた電線をコンタクトに通し、圧着工具を使ってコンタクトを押しつぶすことで
接続する方法で、カシメとも呼ばれます。

圧接に比べて引っ張った時の強度が強く、最も一般的な接続方法です。
圧着のやり方については後述します。

圧接
主にフラットケーブルの接続に使用される方法で、事前に電線の被覆を剥くことなく、
圧接工具を使って電線とコンタクトを接続します。

このタイプのコネクタは最初からコンタクトがハウジングに内蔵されており、
圧接時にコンタクトが被覆を貫通して心線に接続されます。

この方法は複数のピンを同時接続でき、多極コネクタでは作業工数を大きく削減できます。

但し、圧着に比べて接続強度が弱いため、
ケーブルを引っ張った時に圧接部に負担がかからないように
ケーブル止めとなるストレインリリーフを設けるのが一般的です。

半田付け
コンタクトにソルダーカップが設けられており、
この部分に被覆を剥いた電線を乗せてから、半田付けして接続します。

圧着や圧接と違い、専用の工具を使用せずに接続できますが、
圧着と違い、被覆部分はコンタクトに固定されないので、
ケーブルを引っ張ると心線のみに負担がかかって断線しやすいため、
クランプでケーブルを固定したりします。

ケーブルをクランプで抑えることにより、コンタクトへの負担を軽減する



代表的な汎用コネクタ

産業用機器で使用される代表的なコネクタとして、JSTのVHやXHコネクタ、
モレックスのニューMin-Fitコネクタ、TE(旧AMP)のダイナミックコネクタがあり、
どれも、30年以上の歴史があります。

VH/XH/PHコネクタ

JST(日本圧着端子製造)製で、電流容量によって3タイプあり、
電線対基板用コネクタとして、様々な電子機器で昔から利用されており、
秋月電子などの電子部品通販サイトでも扱っている入手しやすい製品です。

VHコネクタ
3.96mmピッチで、電源などの大電流用でよく使用されており、
JSTの代表的なコネクタです。
AWG22~16(0.33~ 1.25mm2)の電線に適合し、
定格電流は10A(AWG16使用時)、7A(AWG18使用時)です。

VHコネクタ

VHコネクタの基板側(オス)には、ピン抜き仕様のものがあります。
これは、基板実装時にピンが無い部分を基板もスルーホールを設けないことで
コネクタが逆向きに搭載されることを防止したり、
絶縁距離を確保するため、ピン間のピッチを広げたい場合に使われます。
 例: B3P5-VHの場合
   5極のうち、ピンが3つある(2、4番ピンが抜かれている)

XHコネクタ
2.5mmピッチで、汎用コネクタの定番品です。
AWG30~22(0.05~ 0.33mm2)の電線に適合し、
定格電流は3A(AWG22 使用時)です。

XHコネクタ

PHコネクタ
2mmピッチで、小電流用に使用されています。 
AWG32~24(0.032~ 0.22mm2)の電線に適合し、
定格電流は 2A(AWG24使用時)です。

PHコネクタ

ニューMin-Fitコネクタ

モレックス(Molex)製の半透明又は乳白色(※)のナイロン製コネクタで、
4.2mmピッチのニューMini-Fit(ミニフィット)シリーズとして、
リセプタクル(メス)の5557や、プラグ(オス)の5559が知られています。

モレックス製ニューMini-Fitコネクタ

※基本仕様はUL94規格(プラスチックの難燃性規格)で定義された難燃性グレードがUL94V-2の半透明色で、
 型名末尾に-210が付くと、難燃性の高いUL94V-0の乳白色になり、その分高価です。
 (例:5557-02なら半透明、5557-02-210なら乳白色)

ニューMini-Fitコネクタのハウジングは2種類

定格電流9Aで、AWG16~AWG28までの様々な太さに対応でき、
嵌合ロックの硬さが程よく、抜差しが容易な製品で、産業用機器では多く利用されています。
但し、秋月電子では取り扱いが無く、個人工作向には入手しづらいのが難点です。

ダイナミックコネクタ

メーカーはTE Connectivity(旧名:タイコエレクトロニクス)で、
昔はAMP(エー・エム・ピー)という会社の製品でした。

ダイナミックコネクタD-3000シリーズ

ダイナミックコネクタは産業装置向けに過酷な環境下でも高い接触信頼性を持ち、
メインシリーズであるD-3000シリーズは信号や電源用として、広く採用されており、
JSTでも類似品のJFA-J300があります。

ピッチは標準タイプ(定格電圧250V)のD-3100で3.81mm、
高電圧タイプ(定格電圧800V)のD-3200で5.08mmと、2種類あり、
適合電線径はAWG28~AWG14、定格電流は最大15A(AWG16使用時)です。

また、コンタクトのメッキについては、コスト重視の錫メッキと
高信頼性の金メッキから選択でき、金メッキについては、
メッキ厚が0.38umと、悪環境下向けの0.76umと種類が豊富です。

コネクタのタイプによって違いますが、2~24極まであり、
極数によってはハウジングにXキーとYキーと呼ばれる溝が設けられており、
相手側のコネクタも同じキーでないと嵌合しないようにできます。

ダイナミックコネクタのキーインプラグによる誤挿入防止

複数のキーが無い極数のコネクタや、3個以上の同一極数のコネクタを使用する場合は、
キーインプラグと呼ばれる誤挿入防止キーを使用します。

この製品も産業用機器では数多く利用されているのですが、
個人で購入する場合は最小発注数が多かったり、単品だと高価と、入手性に難があります。

QIコネクタ

別名、2550コネクタデュポンコネクタとも呼ばれる2.54mmピッチのコネクタで、
主に電子工作などの低電圧信号向けに広く利用され、
様々なメーカーから類似した製品が販売されています。

QIコネクタ(日本圧着端子製REコネクタ)

ここではJST製のREシリーズの仕様について紹介します。
適合電線範囲はAWG30~AWG24と比較的細い線に対応しており、
定格電圧はAC/DC250V、定格電流は2A(AWG24使用時)となっています。

極数については、ケーブル側となるハウジングは2,4,5,8,9極、
基板側のヘッダは1~30極まで取り揃えており、
コンタクトは金メッキと錫メッキの2種類があります。

<コラム:コネクタの型名について>
JSTやヒロセなどの国内メーカ品は、型名から極数やオス・メスなどの仕様が
判別できるものが殆どですが、モレックスやTEなど海外メーカーの型名は、
単に数字の連番になっていることが多く、仕様が分かりにくいのが難点です。



業界標準規格のコネクタ

ここでは、異なるメーカ同士の接合が可能なコネクタとして、
RS-232Cなど機器間の通信接続に使用するD-subコネクタと、
MIL規格に準拠し、主に装置内における基板間の接続に用いられる
フラットケーブルコネクタを紹介します。

D-sub(ディーサブ)コネクタ

名称はシェルの形状がDで、subはsubminiature(超小型)の略から来ており、
USB登場前は、PCの汎用インターフェースコネクタとして広く用いられてきました。

D-Subコネクタ

現在でも産業用機器に使用されていることから入手性も良く、
極数が合えば異なるメーカー同士でも接続でき、
電線との接続は、圧着、圧接、半田付け等に対応できる製品があることから、
電子工作で使いやすいコネクタです。

極数は5種類のシェルサイズ(E,A,B,C,D)に応じて、以下の種類があります。

D-Subコネクタの種類

これ以外にも、同じシェルサイズで極数が約2倍の高密度タイプもあります。
(サイズE,A,B,C,Dで極数が15,26,44,62,78)

D-subコネクタの構造は嵌合部分となるプラグ(オス)又はソケット(メス)を
シェルで挟み込む構成となっています。

D-Subコネクタの基本構成

シェルの材質には、軽量な樹脂製と、妨害電波対策用の金属製があります。

また、勘合を固定するためのスクリューロック(ネジ)や、
そのネジを締める為のネジ穴がある勘合固定台などを設けることもできます。

D-Subコネクタの付属部品(スクリュロックと嵌合固定台)

このように、D-subコネクタは他のコネクタに比べ、部品点数が多く、
各構成部品をユーザーが個別に購入し、組み立てて使用します。

選定の際の注意点として、
コンタクトの種類(オス・メス)がケーブル側、基板側どちらでも設定できるため、
接続相手と同じコンタクト(例えばオス同士)を選んでしまったり、
嵌合固定については、嵌合固定台の他にもスプリングロック型などもあることから、
お互いが違う固定方法だと接続できなくなります。

D-Subコネクタのスプリングロックによる嵌合固定

特に注意すべきなのが、
嵌合固定用ネジの仕様がM2.6(ミリネジ)と、#4-40(インチネジ)があるため、
嵌合固定台とスクリュウロックが同じネジ仕様でないと締められなくなります。

使用する電線の太さは接合方法(圧着、圧接、半田付け)や、メーカで異なりますが、
通常、AWG28~AWG20です。

AWGの説明や電線の種類については下記記事で解説しています。

また、妨害電波対策用として金属シェルを用いる場合、
これを基板に取り付ける際は基板側コネクタの金属部をグランドに接続するようにします。

逆に、基板の部品面に他の信号パターンがあると短絡するため、
コネクタの下にパターンを引かない様にします。

D-subコネクタの主なメーカーとしては、日本航空電子(JAE)が有名で、
各種接続(圧着・圧接・半田付け)タイプを取り揃えており、
勘合固定用の付属品も豊富です。

フラットケーブルコネクタ

フラットケーブルはリボンケーブルとも呼ばれ、複数の単芯ケーブルを並列に束ねた形状で、
各ケーブル間は1.27mmや0.635mmの一定ピッチとなっていることから、
フラットケーブル用コネクタを圧接することで、多数配線の接続を一度で行えます。

フラットケーブル用コネクタ

フラットケーブルの詳細は上記で紹介した記事で解説しています。

コネクタの構造については、圧接が必要なケーブル側が複雑になっており、
図の様に、本体とカバーの間にケーブルを挟んだ状態で、圧接工具(※)を使って
圧力をかけて本体とカバーを結合させます。
 ※専用工具の使用が望ましいですが、万力でも行うことができます。

フラットケーブルコネクタの構造

ストレインリリーフは、ケーブルクランプや、単にクランプとも呼ばれ、
コネクタとケーブルの圧接部分にかかるストレス軽減のためにケーブルを押さえる部品で、
これを使用すると構造上、ケーブルの向きが圧接部分から出てきた方向とは逆になります。

フラットケーブルコネクタのピン配列

通常は、ストレインリリーフをつけますが、デイジーチェーン(※)や、
コネクタ高さを低く抑えたい場合は設けない場合もあります。

フラットケーブルコネクタのストレインリリーフの有無によるケーブル接続状態の違い

但し、接続相手となる基板側コネクタがロック付タイプの場合、
ストレインリリーフが無いと、コネクタ高さが低くてロックできないため、
ロックレバーの短いタイプが必要となるのですが、対応していない製品もあります。

※デイジーチェーン(daisy chain)
 複数の装置を数珠繋ぎに接続する方法のことで、デイジー(ヒナギク)で作った花輪に似ていることからこのように呼ぶ。
 同一信号線を複数個所に接続する際に使用する。
 ディジーチェーンの詳細は下記記事で解説しています。

コネクタの種類は、圧接できるケーブルの種類(1.27mm又は0.635mm)や、
嵌合固定用のロックレバーの有無や、ロックレバー付の場合はそのレバー長など、
組合せが何通りも存在します。

各種フラットケーブルコネクタ(基板側)

最も一般的なタイプであるMIL規格(MIL-C-83503 )準拠品は、
AWG28、1.27mm ピッチフラットケーブルに適合し、
極数は10,14,16,20,26,30,34,40,50,60,64と、ラインナップが豊富で、
オムロンのXG4コネクタ、ヒロセのHIF3Bコネクタや、JSTのRAコネクタなど、
多くのメーカーから販売されています。
 ※United States Military Standardの略で、米軍の標準規格で耐久性や信頼性を重視する民生品に準拠されている。

各種フラットケーブルコネクタ(ケーブル側)

ケーブルを圧接する際は、ケーブルを出す方向に注意します。
両方のコネクタとも同じ方向からケーブルを出すと、コネクタのピン配列が逆転してしまいます。

フラットケーブルとコネクタの接続状態とピン配列の関係

図を見ると、当たり前だと思うかもしれませんが、
ケーブルが長く、コネクタの間隔が離れていると、
圧接の際に2つとも同じ様に作ってしまいがちなので注意して下さい。



コネクタピンの圧着(カシメ)方法

ここでは、JST製VHコネクタのコンタクトを電線に圧着する方法について説明します。

1.電線の被覆を剥く
被覆を剥く際はストリッパーを用いますが、
撚線の場合、細い素線を切りやすいので注意します。

ワイヤーストリッパ―
ワイヤーストリッパ―による電線の被覆剥き

 ワイヤーストリッパーについては下記記事で紹介しています。

素線が1,2本くらい切れても問題ないと思うかもしれませんが、
その分、電流を流せる素線が減ることで電線の抵抗値が増えるだけでなく、
圧着する導体部分が細くなるため、コンタクトから電線が抜けやすくなります。

 素線の切断を回避する方法は上記で紹介した記事で解説しています。

電線にコンタクトを圧着する手順(VHコネクタの場合)

素線を撚りやすくするため、被覆は長めに剥きます。
素線を撚った後に、コンタクトに合わせて電線を切ります。

この時、被覆を剥いた導体部分がコンタクトの心線圧着部に位置するようにします。
コツとしては、導体部分が気持ち短めになるようにカットします。

導体部分が長いと、コンタクトに電線を挿入した際、被覆圧着部が導体部分に位置してしまい、
被覆が圧着されない状態になり、コネクタを挿抜した際に電線の心線に負担がかかって、
電線が切れたり、コンタクトから電線が抜ける恐れがあります。

VHコネクタの圧着が正しくできていない例

2.圧着器を選定する
メーカー純正の圧着器は数万円もする高価なものなので、
電子工作等では下記に示す様な万能圧着ペンチを使用することが多いですが、
製品によって圧着の品質に差があることや、初級者には扱いが難しいことから、
本記事では敢えて純正品の圧着器を使用しています。

万能圧着ペンチを使用する際はコネクタに適応したものを使用する。(下記はVHコネクタに対応)

メーカー純正の圧着器は高価だが、使いやすく信頼性も高い。(下記はVHコネクタ用)

VHコネクタ用圧着器

3.コンタクトを圧着器にセットする
圧着器にある2つの圧着部(被覆、心線)の溝にコンタクトを合わせます。
この2つが正しく位置していないと、圧着時にコンタクトの被覆圧着部を潰し過ぎて破損したり、
心線圧着部のカシメが弱くてコンタクトから電線が抜けてしまう場合があります。

圧着器の使い方

4.電線をコンタクトに通して圧着する
被覆がコンタクトの被覆圧着部に位置しているのを確認してから圧着します。
圧着器の操作時に位置がズレないように注意します。

圧着後、コンタクトの心線圧着部が電線の導体部分に、
被覆圧着部が電線の被覆部分で圧着されていることを確認します。

コンタクトの抜き方

ハウジングに挿入したコンタクトを抜くには、抜け防止用のツメを動かす必要がありますが、
そのツメがどこにあるかで、抜き方の方法が異なります。

・ツメがハウジング内部にある場合
コンタクトがハウジングに完全に覆われるタイプのコネクタでは、
ツメが外部から見えないため、専用の引抜工具が必要となります。

コンタクト引抜工具

各コネクタ専用の引抜工具は数千円もする高価なものが多いですが、
引き抜きやすいようにツメが動くため、電線やコンタクト、ハウジングを痛めることなく、
容易に抜くことができます。

・ツメがハウジングの外側にある場合
下図に示す様に、ツメが外部に露出しているタイプは、
精密ドライバー(※)のマイナスを使ってツメを開くことで、コンタクトを抜くことができます。

コネクタピンの抜き方(コンタクトのツメを押し込んで外すタイプ)
コネクタピンの抜き方(ハウジングのツメを持ち上げて外すタイプ)

 ※針を使うと、ツメを押し込んだり、開いたりする時に局所的に力が加わるため、
  ツメが変形したり、破損しやすくなるので、先端の小さいマイナスが最適です。

コネクタ使用上の注意

・コネクタのピン番号の振り方に注意
 ピン番号の振り方はコネクタの種類によって、様々なタイプがあります。
 QIコネクタ等、カタログにピン番号の記載のない製品の場合、
 ピン番号の振り方が設計者によってまちまちになる
ので、
 接続相手側とピン配置が一致しない恐れがあるため注意します。

コネクタのピン番号の振り方

・ケーブル側コネクタのピン配列図は見る方向に注意
 ケーブル図面において、コネクタのピン配列を示す場合、
 コネクタの嵌合側から見たものと、電線の挿入側から見たものの2通りの表記方法があります。

コネクタ嵌合側と電線挿入側とではピン番号の配置が逆転する

 基板側(部品実装面)と同じ図になるのは挿入側から見た図面になります。
 嵌合側と挿入側ではピン番号が反転して表記されるため、
 嵌合側から見た図面で、基板側と同じ信号配置にすると接続時に信号が合わなくなります。

 また、ケーブルを製作する場合でも、作業者目線となる挿入側から見た図面にした方が
 誤配線を防ぎやすいことから、ケーブル図面では挿入側から見た旨を明記しておきます。