本記事で分かること
- エミッション(EMI)試験とはどんな試験なのかわかる。
- 伝導エミッションと放射エミッションの違いと、その内容についてわかる。
エミッションとは?
エミッションは「放出」という意味です。
つまり、製品から放出される電磁波(ノイズ)のことです。
EMI(電磁妨害)とも呼ばれます。
※エミッションについては、「EMC試験とは? EMIとEMSの規格について」も参照下さい。
伝導・放射エミッションについて
エミッションはノイズの伝達経由により、伝導または放射エミッションに分けられます。
伝導エミッション
有線で伝わるノイズのこと。
製品の電源ケーブルや通信ケーブルを経由して外部機器にノイズを放出する。
放射エミッション
無線で伝わるノイズのこと。
製品から空間を経由して外部機器にノイズを放出する。
伝導エミッションの特徴と測定法
伝導エミッションの特徴は低周波(30MHz以下)成分のノイズであることです。
その理由は、低周波がケーブルを伝導しやすいためです。
※EMCの世界では、数十MHzは低周波の扱いになります。
測定は、疑似電源回路網(AMN又はLISN ※2)を通じて、ノイズのみを抽出します。
外部ノイズの影響を取り除くため、測定はシールドルーム(又は電波暗室)で実施します。
※2:疑似電源回路網の略称は規格によって異なります。
CISPR(国際規格) AMN:Artificial Mains Network(疑似電源回路網)
FCC(米国規格) LISN:Line Impedance Stabilization Network(電源インピーダンス安定化回路網)
AMNはあまり見かけません。「疑似電源回路網=LISN」が一般的によく目にします。
放射エミッションの特徴と測定法
放射エミッションの特徴は高周波(30MHz以上)成分のノイズであることです。
その理由は、高周波が電磁波となって放射しやすいためです。
測定は、アンテナを使用してノイズを受信します。
放射ノイズは場所によって強度が変化するため、製品はゆっくりと1回転し、
アンテナの高さも変化させて測定します。
外部ノイズの影響を取り除くため、測定は電波暗室で実施されます。
伝導・放射エミッションの詳細については、以下のまとめサイトで解説しています。
以下の記事で、EMC対策で役立つ工具類を紹介しています。