トランジスタにベース・エミッタ間抵抗がついている理由

回路設計

 



【本記事で分かること】

バイポーラトランジスタにベース・エミッタ間抵抗がついている理由がわかる。

   トランジスタは大別して、バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ(FET)があります。
     本記事では、バイポーラトランジスタを単に「トランジスタ」と呼ぶことにします。

【結論】 ベース・エミッタ間抵抗がある理由

・ノイズによる誤動作を防止
・コレクタ遮断電流(漏れ電流)による誤動作を防止

「ベース抵抗がついている理由」で、ベース抵抗でトランジスタ動作が安定することを話しました。
しかし、それだけでは十分ではなく、ベース・エミッタ間抵抗をつける必要があります。
本記事では、その理由について説明します。

【ベース・エミッタ間抵抗で、ノイズによる誤動作を防止】

入力電圧Vin=0Vでも、ノイズが入ると微小とはいえ、ベースに電流が流れ込みます。
そのため、ベース電流が0でなくなり、コレクタ電流Icが流れる(トランジスタON)してしまいます。
(下図 左側)

ベース~エミッタ間抵抗Rbeをつけることで、
ノイズで発生した電流がRbeを介してエミッタ(GND側)に流れます。
ベースに電流が0となるので、コレクタ電流Icは流れなくなります(トランジスタOFF)。
(上図 右側)

 



【ベース・エミッタ間抵抗で、コレクタ遮断電流による誤動作を防止】

コレクタ側からベースに漏れ電流が流れ込んで、トランジスタはONする場合があります。
この漏れ電流はコレクタ遮断電流Iceoと言われています。

NPNトランジスタの場合、コレクタ・ベース間は逆方向のダイオードになるので、
基本的には電流は流れません。
しかし、厳密には漏れ電流(逆方向電流)が少しだけ流れます(上図 左側)。

2SC1815のデータシートでは、Iceo=0.1uA となっています。
hfe=100ならコレクタ電流IcはIbの100倍、10uA流れることになります。

これについても、Rbeをつけることで、コレクタ遮断電流をエミッタ側に流すことで、
ベースに電流が流れないようにします(上図 右側)。

以下の記事で、トランジスタを使った回路工作で役立つ工具類を紹介しています。

【ベース・エミッタ間抵抗の決め方】

Rbe=1k~10kΩ が一般的に使われています。

理由ですが、ノイズやコレクタ遮断電流Iceoが流れた場合、
ノイズ電流0.1uA、Iceo=0.1uAが流れたとした場合、
  Rbe間電圧 = Rbe * 0.2uA = 0.2mV~2mV になります。

Rbe間の電圧=トランジスタのBE間電圧Vbeです。
このBE間は順方向ダイオードに相当し、
ダイオードの特性より順方向電圧VFより低いとダイオードは電流を流すことができません。

順方向電圧は一般的に0.6V程度なので、BE間が2mV以下であることからベースに電流が流れず、
全てRbeを経由してGND(エミッタ)に流すことができます。

 <以下の記事でベース抵抗の求め方など、トランジスタ基本知識について解説しています>

 <以下の記事で、回路試作や実験で役立つ工具類を紹介しています>